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IT目安箱2
どういうからくりか、何が問題か知らない人のために

2011年の幕開けは共同購入サイトのおせち騒動だったと言っても過言ではない。

WEBだけでなくTVや新聞でも取り上げられたし、かなり話題になってご存知の方も多いと思うので詳細は省く。

産地偽装も発覚したりお上が景品表示法の疑いというセンで動き始めたりでクーポンサイトの信用はガタ落ちなはずなのに、いまだにクーポンサイトが生き残っているのはなぜだろう?

クーポン共同購入サイトとはたとえば飲食店Aの○千円のコースが、○%OFFだとか半額だとかになるクーポンを販売するサイトだ。
「共同購入」だから何名以上が申し込めばその割引クーポンが買えるという仕組みになっている。
(クーポンサイト・クーポンサイトでクーポンを販売する店・それを購入する消費者の3者で成り立っている。)

問題はこの元値、通常価格が10000円と表示され、半額の5000円に!といううたい文句になっているが、実際はもともと5000円であったり、7000円のものと同程度だったりすることだ。
(本当はこういう手法は二重価格表示としてずっと前から禁止されているのだが。)

問題になったクーポン共同購入サイトでは、店舗側から販売額の半分の手数料を取っていたらしい。

10000円のものを5000円で売り、2500円の手数料を取られるのだから、原価2500円以上のものはキツイはずだ。

そこを広告宣伝費と考えるかどうかだが、原価2500円以下で人件費などを入れても2500円トントン、それを10000円で売れる業種はそれほど多くはないと思う。

そこで広告宣伝費として見合うのかどうかという話だが、騒動の最中に「半額だから利用するお客様が、また通常価格で利用するだろうか?」というもっともな意見も見られた。

リピートが見込めず広告費として見合わないのなら原価以下〜原価トントンで提供するメリットはない。

数をたくさん増やすメリットも、継続して出し続けるメリットもない。

(広告というのは継続して出し続けないとあまり意味がない。
TVなどで広告をよく見かけるのでその商品を買う、そのお店を利用するということはあっても、半額クーポンを出しているのをよく見かけるお店に、ふらっと立ち寄って通常価格で食事をしようと思うだろうか?)

そこでもともとの通常価格をごまかそうという考えも出てくる。
店側がそう考えるのか、クーポンサイト側の営業がそういって口説いているのかは知らないが。

そしてある飲食店Bの元値を疑う指摘も出てきた。

「5000円のメニューが半額の2500円」としてクーポンサイトに出ている写真が、その飲食店Bのサイトにある2500円のメニューと酷似している、どう違うのか?という指摘だ。

これはクーポンサイト側が「イメージ写真として従来のメニューの写真を使った」と釈明した。
(本当かどうかは分からない。)

さらにある飲食店Cのランチクーポン販売ページに、後になってから「平日限定」との注意書きが加わるという事件も起きた。

これは何らかのミスで起こった記載漏れだろうと想像するが、これで気が付いた人もいると思う。

そもそもクーポンだとかポイントシステムだとか回数券だとかは、買っても使わない人がいるから儲かる(宣伝や販促として見合う)仕組みになっているのだ。

パスモやスイカが出てからは購入する人が少なくなったと思うが、電車の切符も回数券を使えば1〜3回分の交通費が浮く。
しかし期限内でないと利用できなくなってしまうから、ヘタをすると浮く分の1〜3回以上の回数券が残ってしまう。

エステの回数券だってそういうカラクリだ。
あくどいところは回数券を購入させて、そのお客さんが予約を入れようとしても「満席です」と断る。
それをくりかえせばお客さんは来なくなるので、丸儲けということらしい。
(そんなことをして評判を落とせば、儲けもなにもないのだが。)

クーポンやポイントを配布した分全部使われると、大企業でも正直キツイだろう。
たいていは配布分の何%かが利用されるという見込みでポイント率や値引き率が決められているはずだ。

しかしクーポンサイト側はおそらく販売額の何%かを徴収していると思う。
来店してクーポンが利用された分だけを取っているのではないと思うので、クーポンを購入して使わなかった人がいたとしても、サイト側は懐が痛まないのではないだろうか。
そうなるとクーポンを発行する店側は損だ。
(そこはサイトによって異なるのかもしれないし、この点についてはまだ調べていない。)


こうして今や信用を完全に失ったクーポンサイトだが、1社が今回大失敗したことと、ニュースで取り上げられて広く認知されたことを好契機とみる向きもある。

なぜかまだ利用しているユーザーもいるということなのだろう。

はっきり言うがクーポンサイト側がどのぐらいの数のおせちを出荷できるか、品質を保つことができるかなど、そんな判断ができるはずがない。
彼らは飲食店やサロンの経営経験などないのだろうから。

ある程度経験を積んだコンサルタントなら、他の業者が何名体制でどのぐらいの数をこなせるか、原価以外にどんな経費がかかるかなどを、机上の知識としてでも知っているかもしれない。

どんな人を採用しているか知らないが、おそらくまだクーポンサイト側にそうした判断を求めても無理だ。
この会社は去年何個出荷した、その時より人数も多く確保できている程度にしか判断のしようがないだろう。
資金繰りや作業スペースなどの問題は店舗側しか把握できないと思う。

その点でクーポンサイトが無責任だというなら、そもそもこのビジネスが成立しない。
飲食店や美容院の経営経験者や公認会計士ばかりを雇うわけにもいかないだろう。

最後に、クーポン共同購入サイトさえ利用しなければいいと思っている人もいるだろうが、実際は「クーポン」の名がつかないだけで同様のワナは世間にいっぱいある。

そもそも某通販モールだって無法地帯だ。
以前にも定価3500円の商品が共同購入で3500円になるとして売られていた。

定価3500円の商品である。
多くの雑誌にもその値段で掲載されていたはずだが、ある店が5000円のところ、2名様以上の購入で3500円!として販売していた。

(サクラがいないとすれば)購入している人がたくさんいるようだったので、ほとんどの人は気づいていなかったのだと思う。

モール内を検索すれば同じ商品が共同購入でなくても3500円で、あるいはそれ以下に値引きされて売られているのだが。

何年も前からこういうことは当たり前に行なわれていて憤りを感じていたので、おせち騒動をきっかけにこういう商売の仕方が問題とされるのは大いに歓迎である。



11年02月16日


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